ストレスチェック/集計・分析について
管理者がストレスチェックの努力義務である集団分析をHRBrain上で行う方法をまとめた記事です。
目次
・尺度
・リスク値
・リスク値における全国平均
・回答平均
・サマリ
尺度
ストレスチェックの評価時に分けられるカテゴリを指します。
HRBrainで採用している職業性ストレス簡易調査票 57 項目においては、3つの領域と19の尺度が存在しています。
■領域
㋐ストレスの原因と考えられる因子
㋑ストレスによっておこる心身の反応
㋒ストレス反応に影響を与える他の因子
■尺度
ストレスの原因と考えられる因子(右:HRBrain上の表記)
①心理的な仕事の負担(量):仕事の量的負担
②心理的な仕事の負担(質):仕事の質的負担
③自覚的な身体的負担度:身体の負担度
④職場の対人関係でのストレス:職場の対人関係
⑤職場環境によるストレス:職場環境
⑥仕事のコントロール度:仕事のコントロール
⑦技能の活用度:技能の活用
⑧仕事の適性度:仕事の適性
⑨働きがい:仕事の意義
ストレスによっておこる心身の反応
⑩活気
⑪イライラ感
⑫疲労感
⑬不安感
⑭抑うつ感
⑮身体愁訴
ストレス反応に影響を与える他の因子
⑯上司からのサポート
⑰同僚からのサポート
⑱家族・友人からのサポート
⑲仕事や生活の満足度
その尺度の中でも集団分析において使用される尺度は次の4つです。
「仕事の量」「仕事のコントロール」「上司の支援」「同僚の支援」
リスク値
HRBrain上で表示されるリスク値とは、健康リスクを指します。
健康リスク(①)とは、仕事のストレス判定図(②)という、事業場全体、部や課、作業グループなどの集団を対象として仕事の心理的なストレス要因を評価し、それが従業員のストレスや健康リスクにどの程度影響を与えているのかを判定できる図から算出されるストレス度を表す値を指します。
健康リスクには3種類存在し、仕事のストレス判定図は2つの判定図からなります。
①健康リスク
- 総合健康リスク
- 仕事面健康リスク
- サポート面健康リスク
②仕事のストレス判定図
- 仕事の量的負荷-コントロール判定図(仕事面健康リスクの算出時に使用)
- 職場の支援判定図(サポート面健康リスクの算出時に使用)
- 総合健康リスク
- 算出方法:仕事の量的負荷-コントロール判定図×職場の支援判定図÷100 ※総合健康リスク算出方法の100は、全国平均の100を指す。
- 仕事面健康リスク(HRBrain:仕事の量・コントロール)
- 算出方法:仕事の量的負荷-コントロール判定図
- 使用尺度:仕事の量、仕事のコントロール
- サポート面健康リスク(HRBrain:上司・同僚の支援)
- 算出方法:職場の支援判定図
- 使用尺度:上司の支援、同僚の支援
上記の計算の結果、全国平均とする100を基準としているため、100以上の健康リスクおよび総合健康リスクは高ストレス者が平均よりも多い傾向にあるという結果となります。
(参照:https://stresscheck.mhlw.go.jp/download/201903/hantei201903.pdf)
リスク値における全国平均
リスク値の全国平均とは、平成7~11年度労働省「作業関連疾患の予防に関する研究」によってストレス判定図が開発された際に集計された、全国2.5万人の労働者の調査データから算出された基準値であり、平成17年度(2005年)に基準値として設定された数値です。
細かい内訳は公表されていませんが、更新されることがない、固定化された数値です。
健康リスクにおいての全国平均は100であり、100を下回る場合は、ストレスによる影響を受けにくい職場環境であり、100を上回る場合は、ストレスによる影響を受けやすい職場環境にあることがわかります。
総合リスク値とリスク値の色分け
リスク値と総合リスク値では、ストレス度をわかりやすくするために色分けをしています。
100〜:薄い黄色
120〜:黄色
140〜:薄いオレンジ
160〜:オレンジ
180〜:赤
回答平均
素点換算表によって算出されるスコアは3〜12ですが、その解釈は尺度によって異なります。
- 素点換算表による数値が高ければ、ストレスも高い
- 仕事の量
- 例:回答平均が11→ストレスが高い環境
- 例:回答平均が11で全国平均との差分が2.3→全国平均よりも2.3ストレスが高い環境
- 例:回答平均が5で全国平均との差分が-3.7→全国平均よりも3.7ストレスが低い環境
- 仕事の量
- 素点換算表による数値が高ければ、ストレスは低い
- 仕事のコントロール
- 上司の支援
- 同僚の支援
- 例:回答平均が11→ストレスが低い環境
- 例:回答平均が11で全国平均との差分が2.3→全国平均よりも2.3ストレスが低い環境
- 例:回答平均が5で全国平均との差分が-3.7→全国平均よりも3.7ストレスが高い環境
回答平均における全国平均
回答平均においての全国平均は以下で、回答数が多い性別の数値がシステム上に適用されています。
回答数が同じであった場合には男性の数値が適用されます。
・仕事の量的負担:(男)8.7/(女)7.9
・仕事のコントロール:(男)7.9/(女)7.2
・上司の支援:(男)7.5/(女)6.6
・同僚の支援:(男)8.1/(女)8.2
全国平均との差分の計算式は以下です。
リスク値/回答平均ー全国平均=全国平均との差分
サマリ
集計・分析で表示されている数値の解釈は以下となります。
- リスク値
- 全国平均値である100を上回る→ストレスが高い環境
- 全国平均値である100を下回る→ストレスが低い環境
- 回答結果
- 仕事の量
- 回答平均が3の数値に近い→ストレスが低い環境
- 回答平均が12の数値に近い→ストレスが高い環境
- 仕事のコントロール
- 上司の支援
- 同僚の支援
- 回答平均が3の数値に近い→ストレスが高い環境
- 回答平均が12の数値に近い→ストレスが低い環境
- 仕事の量